造り手の物語
東京からカリフォルニアへ——情熱と発見の旅

醸造家 ノリ・ナカムラ
東京で育ったノリにとって、若い頃のワインは未知の存在でした。卒業旅行で訪れたイタリアの一杯が、世界観を一変させます。
ミラノのドゥオーモを望むトラットリアで飲んだ12年もののバルバレスコ。初めての海外での体験が一瞬で結晶化したような、鳥肌の立つ瞬間でした——「これを一生の仕事にできるかもしれない」。
その後サンフランシスコに移り住み、ナパとソノマを巡る日々へ。UCデイヴィスで葡萄栽培・醸造学を学び、カリフォルニアワインの独自性に惚れ込みます。初年度だけで170軒のワイナリーを訪ね歩き、理解を深めました。
あるテイスティングルームで出会った黄金色のシャルドネは、固定観念を打ち砕くものでした。フランスとは異なる堂々たる個性——そこから本格的な探求が始まります。
2010年、NORIAを創業。繊細さと調和を重んじる日本の感性で、カリフォルニアのテロワールを表現するスタイルが始まりました。

NORIA の意味
スペイン語で「水車」を意味し、自然の循環や流れを象徴します。伝統と革新が巡るように、NORIAのワインも食卓の喜びを循環させていきます。
ビジネスの力を携えた旧友・アツシとの再会により、バークレーのギルマン地区で日本人によるアーバンワイナリーを築きました。誰にでも開かれたワイン文化を大切にしています。

Atsushi & Yuzu